MCA、通信事業者を取り巻くRANのオープン化と仮想化における導入実態と市場動向に関する調査結果を発表

移動体通信・IT分野専門の調査会社である株式会社 MCA(https://www.mca.co.jp/)は、国内外におけるvRAN/Open RANの開発・導入実態、主要キャリア・ベンダーの取り組み、アーキテクチャ選定と導入後のコスト削減効果、標準化団体の活動、政策的背景等について調査を実施し、その結果を12月16日に発表しました。調査結果の要点は以下の通りです。

  • vRAN市場は2022年から本格的な普及期に⼊り、2024年には世界市場で約3,300億円、⽇本市場でも約340億円規模
  • Open RAN市場は2019年当時、商⽤利⽤可能な対応装置がほとんど存在しなかったが、2024年時点におけるOpen RAN市場規模は世界で約1,500億円、⽇本では約110億円に到達する⾒通し

本調査結果については、調査レポート「 通信事業者を取り巻くRANのオープン化と仮想化における導入実態と市場動向 2025年度版」(税込220,000円/社内共有可能なイントラ版は税込440,000円)として発刊しています。

■調査結果抄録

◆vRAN市場は2022年から本格的な普及期に⼊り、2024年には世界市場で約3,300億円、⽇本市場でも約340億円規模

vRAN市場は海外では、⽶Verizonや英Vodafoneなどが5G SA対応を契機に仮想化CU/DUを本格導⼊し、マルチベンダー構成の商⽤展開が拡⼤している。

⼀⽅、⽇本では楽天モバイルがフルvRANアーキテクチャを先⾏導⼊したものの、他キャリアはvRANベンダー選定や半導体不⾜の影響を受け、導⼊は段階的に進⾏している。特に2023年以降は、KDDIやNTTドコモが⾃社ネットワークにおける検証を強化しており、Open RANとの連携も視野に⼊れている。

今後、6G時代を⾒据えた柔軟なネットワーク設計やAI制御との親和性の⾼さから、vRANはネットワークの中核技術として⼀層の拡⼤が期待されている。

◆Open RAN市場は2019年当時、商⽤利⽤可能な対応装置がほとんど存在しなかったが、2024年時点におけるOpen RAN市場規模は世界で約1,500億円、⽇本では約110億円に到達する⾒通し

市場全体に占める割合はいずれも4%程度にとどまっており、既存RAN装置と⽐べると依然として限定的である。

国内では楽天モバイルがOpen RANを先⾏導⼊したものとされるが、実態としては、装置構成は周波数帯により異なり、4G/LTEではNokia製、Sub6ではNEC製、ミリ波では⽶Airspan製のRUを採⽤している。中でも700MHz帯ではO-RAN Fronthaul準拠のNEC製RUを導⼊しており、Open RAN仕様に沿った運⽤が⼀部実現されている。

⼀⽅で、Ericsson等の主要グローバルベンダーの対応は限定的であり、商⽤ネットワークにおけるマルチベンダー接続の実装は依然として技術的・運⽤的な課題が多い状況にある。

今後の市場予測に関しては、vRAN市場は2025年の約4,000億円から2030年には9,300億円へと倍増し、RAN全体に占める構成⽐も12%から25%に拡⼤する。⽇本市場においても同期間に500億円から900億円へと成⻑し、構成⽐も18%から35%に上昇し本格的な普及が⾒込まれている。

一方、Open RAN市場は2030年に世界全体で約8,200億円、⽇本国内で約380億円規模に達すると予測した。特に海外では、EricssonやNokiaといった⼤⼿ベンダーが依然としてOpen RANへの対応に慎重な姿勢を崩しておらず、SamsungやNEC、Fujitsu、Mavenirなどの新興勢⼒だけではグローバルな展開に限界があるためである。

従って、今後の市場拡⼤には、⼤⼿ベンダーの対応装置の拡充や、マルチベンダー環境下でのオーケストレーション成熟といった課題の克服が不可⽋だろう。


■調査レポート「 通信事業者を取り巻くRANのオープン化と仮想化における導入実態と市場動向 2025年度版
~vRANとOpen RANの現在地と将来展望・主要キャリア・ベンダー・標準化動向等を多角的に分析~
発行日:2025年11月
判型:PDFファイル(A4版87頁)
発行:株式会社MCA/株式会社Hand Off Solutions
販売:株式会社MCA
頒価:200,000円(税抜)
※社内共有可能なイントラ版:400,000円(税抜)


■本件リリースに関するお問い合わせ
株式会社 MCA(MCA Inc.)
E-Mail:info@mca.co.jp
TEL:03-5325-0222