移動体通信・IT 分野専門の調査会社である株式会社 MCA(https://www.mca.co.jp/)は、中古携帯電話・スマートフォン端末に関する市場動向調査を実施し、その結果をとりまとめました。調査結果の要点は以下の通りです。

・中古携帯電話・スマートフォン端末市場(消費者による中古端末の購入)
173万台、203億円(2013年度推定)
・2016年度には333万台、422億円へ拡大と予測

本調査結果については、調査レポート「携帯・スマートフォンの中古端末市場動向」(本体価格95,000円)として発刊しています。

■調査結果抄録

中古携帯端末市場を「国内の消費者による中古携帯電話・中古スマートフォンの購入」と定義し規模を推計したところ、2013年度の中古携帯電話・スマートフォン端末市場は台数ベースで173万台、金額ベースで203億円とみられる。

【中古端末市場規模予測】

ジャストシステムのネットリサーチサービス「Fastask」モニターを活用し、2013年12月に実施した消費者アンケート調査(携帯電話・スマートフォン利用者 7,068サンプル)によると「中古携帯電話の買い取り」および「販売」に対する認知率はいずれも4割弱だった。中古携帯端末取扱事業者による取扱店舗の増加とTVCMを含めた積極的なPR活動により認知率は今後も上昇するとみられ、消費者による中古端末の売買台数は順調に増加、市場規模は2016年度には333万台、422億円規模になると予測される。

【中古携帯電話に関する認知率】(N=7,068)

現在の市況は、中古携帯電話端末の需要に供給が追いついていない状況となっている。中古携帯端末の販売を行うための在庫が不足しているため、思うように販売店舗を増やせない状態となっている。事業者各社はまずは買い取りを積極化させる戦略を取っており、今年度および来年度も買い取り台数は継続的に急拡大すると推測できる。

また、在庫が積み上がったとしても、iPhoneを中心に中古端末に対する引き合いは海外からも多数届いている状況であり、仮に国内で捌ききれなくても輸出という手を打つことができる環境にある。そのため、事業者が買い取りを抑制する動きは今のところみられない。また、買い取りを積極化させることで在庫不足が解消すれば販売店舗の増加につながることから、結果として販売台数の増加に結びつくとみられる。

今後の市場拡大要因としてはこのほか、「端末の認定や保証などのインフラ整備」「MVNOによる格安SIMカードの台頭」などが挙げられる。

■調査概要

携帯キャリア各社が買い換え促進のためiPhone端末を中心に下取りを行いはじめたことで、利用者のあいだで中古携帯端末に価値があることが再認識されています。以前であればリサイクルないし廃棄されていた端末も、今後買取にシフトしていくとみられています。

一方、ISPを中心にMVNOによる格安SIM通信サービスのラインナップが充実しており、SIMが使える中古携帯端末への需要の高まりも期待されます。スマートフォンの高機能化も一巡し、中古端末であっても一定の性能を満たしている場合が多くなっています。

このような市場背景により、中古端末を取り扱う店舗が増加しています。レンタルショップや古書店など異業種による取り扱いも増えてきました。

そこで本調査では、中古携帯端末の買取事業者・販売事業者およびその他チャネルへの取材を通じ、中古携帯端末市場の市場構造を分析するとともに、中古携帯端末の購入経験者および買取・下取経験者への消費者調査を実施し、中古携帯端末の利用状況や買取・下取の方法を明らかにします。

【使用済み携帯電話のサプライチェーンと調査範囲】

調査概要の詳細などは、PDF版のプレスリリースもあわせてご覧下さい。


■本件リリースに関するお問い合わせ
株式会社 MCA(MCA Inc.)
担当:天野 徳明(あまの のりあき)
E-Mail:info@mca.co.jp
TEL:03-6261-2571
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